矯正治療に保険は適用されない?

矯正治療は全て自己負担?

2018年現在、噛み合せや審美的な問題を解決するための矯正治療は、一般的に保険適用外として定められています。では、歯列矯正治療は必ずしも保険に適用されないのかというと、そうではありません。ここでは、矯正治療の保険適用についてご紹介します。

保険適用の基準

最初に矯正治療は一般的に保険適用外だと記載しましたが、一部例外があります。
例えば、外科手術が必要になる「顎変形症」の手術前後の矯正治療や、国が定める先天疾患を要因とする矯正治療では、すべて健康保険が適用されます。
ポイントは、審美的もしくは予防的な観点での矯正治療なのか、病気の治療を目的とした矯正治療であるかという点です。

国が定める先天疾患の一部をご紹介します(↓画像化)
唇顎口蓋裂
ゴールデンハー症候群(鰓弓異常症を含む)
鎖骨・頭蓋骨異形成
クルーゾン症候群
トリーチャーコリンズ症候群
ピエールロバン症候群
ダウン症候群
ラッセルシルバー症候群
顔面裂
筋ジストロフィー
大理石骨病
色素失調症
小舌症
頭蓋骨癒合症
骨形成不全症
口笛顔貌症候群
ルビンスタイン-ティビ症候群
常染色体欠失症候群
ラーセン症候群
濃化異骨症
6歯以上の非症候性部分性無歯症
一部ではありますが、上記の病名と診断された場合、矯正治療でも保険適用で治療できる可能性があります。

保険が適用されないケース

1. 外科手術を必要としない、もしくは外科手術を希望しない場合は、上記の条件を満たしていても保険は適用されません。

2. 上記すべての条件を満たしていても、厚生労働省が指定する医療機関で治療を受けないと、保険は適用されません。

大学病院や、大学病院と同等の設備を所有する医療機関のみに限られており、歯科については、厚生労働省による施設基準の届け出医療機関に限定されるなど、様々な条件が課されます。

3. 指定の矯正装置以外での治療をする場合、保険は適用されません。
保険適用での矯正治療は、治療に使用する矯正装置が限られます。指定外の矯正装置で治療する場合には保険適用外となってしまいます。

矯正治療の保険適用には、様々な条件が課されます。しかし、これまで記載した条件に当てはまっていれば、矯正治療に保険が適用される可能性は大いにあります。
また、iGOシステムやインビザラインなどの、透明のマウスピースを使用した矯正治療は、保険適用での治療が難しいのが現状ですが、今後これらの治療が普及し、一般化した際には保険適用での治療も見込めることでしょう。
iGOシステムなどのマウスピース矯正を始める際、虫歯や歯周病があった場合、一般的に先にそれらの治療から始めます。健康な生活は健康な歯から。マウスピース矯正に悩んでいる方は、まずは虫歯の治療や予防歯科などで、信頼できるクリニックを探してみてはいかがでしょうか。